環境変数とモード
Env Variables
Vite は環境変数を特別な import. オブジェクトに公開します。いくつかのビルトイン変数は全てのケースで利用可能です:
import.: {string} アプリが動作しているモード。meta.env.MODE import.: {string} アプリが配信されているベース URL。これはmeta.env.BASE_URL base設定オプション によって決まります。import.: {boolean} アプリがプロダクションで動作しているかどうか。meta.env.PROD import.: {boolean} アプリが開発で動作しているかどうか(常にmeta.env.DEV import.の逆)meta.env.PROD
Production Replacement
プロダクションでは、これらの環境変数は、静的に置換されます。したがって、常に、完全な静的文字列を使って参照する必要があります。例えば、import. のような動的なキーでのアクセスはうまく行きません。
JavaScript の文字列と Vue テンプレートの中に現れる文字列も置換されます。これはまれなケースのはずですが、意図的でないこともありえます。この場合、たとえば "process. が ""development": " に変換されると、Missing Semicolon や Unexpected token などのエラーが表示されることがあります。この挙動を一時的に解決する方法はいくつかあります:
JavaScript の文字列に対しては、ユニコードのゼロ幅スペースでその文字列を分割できます(例
'import.)。meta\u200b.env.MODE' Vue のテンプレートや他の HTML タグに対しては、
<wbr>タグを使うことができます(例import.)。meta.<wbr>env.MODE
.env Files
Vite は、環境ディレクトリにある以下のファイルから追加の環境変数を読み込むために dotenv を利用します。
.env # 全ての場合に読み込まれる
.env.local # 全ての場合に読み込まれ、gitには無視される
.env.[mode] # 指定されたモードでのみ読み込まれる
.env.[mode].local # 指定されたモードでのみ読み込まれ、gitには無視される
env 読み込みの優先度
特定のモードの env ファイル(例: .env.production)は、汎用の env ファイル(例: .env)よりも優先されます。
また、Vite の実行時に既に存在している環境変数は最も優先度が高く、.env ファイルによって上書きされることはありません。
.env は Vite 起動時に読み込まれます。変更した後はサーバを再起動してください。
読み込まれた環境変数は、import. を経由してクライアントソースコードにも文字列として公開されます。
環境変数が誤ってクライアントに漏れてしまうことを防ぐために、VITE_ から始まる変数のみが Vite で処理されたコードに公開されます。例えば、以下のファイルで:
DB_PASSWORD=foobar
VITE_SOME_KEY=123
VITE_SOME_KEY だけが import. としてクライアントソースコードに公開され、DB_PASSWORD は公開されません。
環境変数のプレフィックスをカスタマイズしたい場合は、envPrefix オプションを参照してください。
SECURITY NOTES
.env.*.localファイルはローカル限定で、センシティブな変数を含めることができます。git にチェックインされるのを防ぐために、.gitignoreに*.localを追加すべきです。Vite のソースコードに公開される変数は最終的にクライアントバンドルに入るので、
VITE_*変数はセンシティブな情報を含まないようにすべきです。
TypeScript 用の自動補完
デフォルトで Vite は vite/client.d.ts で import. のための型定義を提供します。.env.[mode] ファイルで自前の環境変数を定義できますが、VITE_ で始まるユーザ定義の環境変数に対する TypeScript の自動補完が欲しくなるかもしれません。
この目的を達するには、src ディレクトリに env.d.ts を作成し、以下のように ImportMetaEnv を補ってください:
/// <reference types="vite/client" />
interface ImportMetaEnv {
readonly VITE_APP_TITLE: string
// その他の環境変数...
}
interface ImportMeta {
readonly env: ImportMetaEnv
}
Modes
デフォルトで、開発サーバ(dev コマンド)は development モードで動作し、build コマンドは production モードで動作します。
つまり、 vite build の動作中は、もし .env.production があれば、環境変数をそこから読み込むということです:
# .env.production
VITE_APP_TITLE=My App
アプリケーションの中で、import. を利用してタイトルを描画できます。
モードは単に development vs. production よりも広い概念なのを理解することが重要です。典型的な例として、production のような振る舞いを持ちつつ少しだけ production と異なる環境変数を持つ"staging"モードが欲しくなるかもしれません。
--mode オプションフラグを渡すことで、コマンドに対して使われるデフォルトモードを上書きすることができます。例えば、アプリケーションを staging モード(が仮にあるとして)向けにビルドしたい場合は以下のようにし:
vite build --mode staging
また、望んでいる挙動を得るには、.env.staging ファイルが必要です:
# .env.staging
NODE_ENV=production
VITE_APP_TITLE=My App (staging)
これで staging アプリケーションが production のような挙動を持ちつつ、production とは異なるタイトルを表示するはずです。